第5章 アンケート調査
5.1 アンケート
電子貨幣についてのアンケートを行った。
(1)目的
一般の方やインターネット(WWW)利用者が、電子貨幣についてどの程度知っているのか、電子貨幣をどのように受け止めているのか、インターネット上での買い物(決済)についてどのように感じているのかを聞くことで、現在の電子貨幣に対する意識や、今後の電子貨幣の在り方を明らかにするため。
(2)対象
@本校の公開講座インターネット・コース、グラフィック・コース受講者46名。
A大分大学経済学部学生42名。
Bインターネット利用者。
C大分医科大学学生(メイルアドレス不明記のため人数は確定できない)。BC合計156名。
公開講座受講者と大分大学経済学部学生には、日常あまりインターネットに触れる機会がない人を対象としたアンケートを配った(一般向けアンケート)。インターネットには、インターネットを利用する上で、一般の人と比べて電子商取引や電子貨幣に対する意識が高いであろうと考え、一般向けアンケートより記述の部分を多くしたアンケートを載せた(インターネット利用者向けアンケート)(付録参照)。
(3)方法
@公開講座受講者:往復はがきによるアンケートを郵送(期間:12月末〜1月上旬)。
A大分大学経済学部学生:公開講座受講者と同じアンケートをA4サイズに印刷し
て配布(1月14日実施)。
Bインターネット利用者・大分医科大学学生には、本校のホームページにアンケートのコーナーを作成し、載せることで参加を募った(図7参照)。
図7 インターネット・アンケート
5.2 集計結果
集計では、年齢や社会観の差を比較するために、一般向けアンケート・インターネット利用者向けアンケートともに、学生と社会人に分類した。
図8 インターネット利用度
図9 電子貨幣認知度
図10 電子貨幣への興味
図11 電子貨幣の必要性
図12 インターネット利用度
図13 電子貨幣への興味
図14 電子決済利用度
図15 電子貨幣の必要性
(1)一般向けアンケート
『Q4.あなたはインターネットをどの程度利用しますか。』、学生(43名)「1.利用しない」49%、「2.毎日」12%、「3.週に数回程度」9%、「3.月に数回程度」12%、「4.年に数回程度」19%。社会人(45名)「1.利用しない」53%、「2.毎日」9%、「3.週に数回程度」11%、「4.月に数回程度」11%。「4.年に数回程度」16%(図8参照)。
『Q5.「電子貨幣」についてお聞きします。』、学生「1.全く知らない」26%、「2.聞いたことがある」56%、「3.知っている」19%。社会人「1.全く知らない」29%、「2.聞いたことがある」42%、「3.知っている」29%。「4.使ったことがある」は学生・社会人ともに0%(図9参照)。
『Q6.あなたは「電子貨幣」に興味がありますか。』学生「1.ある」53%、「2.ない」47%。社会人「1.ある」69%、「2.ない」31%(図10参照)。
『Q7.あなたは「電子貨幣」が必要だと思いますか。』学生「1.思う」37%、「2.思わない」49%、その他「わからない」2%、「未回答」12%。社会人「1.思う」64%、「2.思わない」24%、「わからない」9%、「未回答」2%(図11参照)。
上の結果から、一般の中では、インターネット利用度が少ない割に、学生・社会人ともに、電子貨幣に対する情報は存在程度なら過半数を超える人が知っており、興味も強いことが分かった。しかし、将来的なことを考えると、情報不足や安全などの面から「あれば便利だとは思うが不安でもある。」という意見が多く見られた。
(2)インターネット利用者向けアンケート
『Q4.あなたはインターネットを週にどのくらい利用しますか。』学生(109名)は「1.1回〜3回」83%、「2.4回〜6回」6%、「3.それ以上」7%、「未回答」3%であった。社会人(47名)は「1.1回〜3回」9%、「2.4回〜6回」23%、「3.それ以上」66%、「未回答」2%(図12参照)。
『Q5.あなたは「電子貨幣」に興味がありますか。』学生「1.ある」48%、「2.ない」52%、社会人「1.ある」94%、「2.ない」6%(図13参照)。
『Q6.あなたはインターネット上で買い物(電子決済)をしたことがありますか。』学生「1.ある」4%、「2.ない」96%。社会人「1.ある」55%、「2.ない」45%と学生・社会人で大きく分かれた(図14参照)。
『Q7.あなたは「電子貨幣」が必要だと思いますか。』学生「1.思う」33%、「2.思わない」67%、社会人「1.思う」74%、「2.思わない」26%であった(図15参照)。
上の結果から、社会人は、電子決済を多く利用していること、普段インターネットを頻繁に利用する人は、セキュリティやシステムについてある程度の知識と経験を身につけていることなどが分かった。また、経験者の意見としては、セキュリティについてはまだまだ改良すべき点が多いというものが多く見られた。
一般・インターネット双方の結果から、「電子貨幣」というものに期待は感じているものの、詳しい情報(セキュリティや保証の問題)が入ってこないための不安も大きいことが分かった。これは新しい物事を始めようとする時には必ず起こることだと思うが、開発している側も、一般人が電子貨幣に接する機会を設け、もっと知ってもらう努力をしなければならないと考える。